起業家着々と輩出「アシスタ」開設2年

仙台市起業支援センター「アシスタ」が、2014年1月に青葉区のアエルにオープンしてから2年が過ぎた。金融機関OBや中小企業診断士ら7人の専門家を 中心に、事業計画作成や融資などについて起業希望者に助言しており、相談や開業の件数が増加。女性の利用も増え、起業支援機関として定着しつつある。

アシスタは市が「日本一起業しやすいまち」を目指し、市産業振興事業団内に開設した。開業のノウハウや経営を学ぶセミナーを定期的に開催し、ミーティングや作業スペースとして「交流サロン」を無料開放している。
起業支援は事業団時代からしていたが、アシスタ開設で相談件数が急増した。
13年度からの利用状況は表の通り。14年度は13年度の2.7倍となる1036件の相談があった。15年度(ことし1月末現在)は前年同期を4.3%上回る。相談者のうち実際に開業した件数も増えている。
増加の背景には、きめ細かいサポートのほか、アシスタ開設でイメージが変わったことがある。関係者は「事業団時代は株式会社を立ち上げるための組織と思われていた。アシスタができて気軽に立ち寄れるようになった」と明かす。
女性の相談者も増えている。事業団によると、結婚や出産で離職した女性が起業を目指すケースが多い。中小企業支援課の赤羽優主査は「自分らしい働き方をしたいという女性が増えているようだ」と分析する。
セミナーや起業志望者同士の交流会の際は必ず託児サービスを用意している。女性利用者には女性相談員が対応するなど話しやすい雰囲気づくりを心掛ける。
昨年7月に青葉区で美容室を開いた鈴木恵美さん(36)は「開業までサポートしてもらった。弱気になった時も相談員が背中を押してくれた」と感謝する。
14年度に開業した61件のうち、少なくとも2件が1年以内に廃業に追い込まれたことなど課題もある。赤羽主査は「アフターフォローにも力を入れる。まずは開業前にどんな小さなことでも相談してもらえるよう呼び掛けていく」と力を込める。

タイトルとURLをコピーしました