超破格1個500円 博多人形「ガシャポン」 若手人形師が作品販売

博多人形商工業協同組合の青年部に所属する若手人形師8人が「ガチャガチャ」「ガシャポン」などの名称で親しまれているカプセル入り玩具の自動販売機を使った作品販売に乗り出す。26日から2月7日まではかた伝統工芸館(福岡市博多区)で開かれる「青年部新作展」に自販機2台を設置する計画。本物の伝統工芸品をカプセル自販機で販売するのは異例。博多人形では初めてとみられ、同青年部は「従来の人形ファンだけでなく、若者層が博多人形を手にするきっかけになれば」としている。
 8人は28〜45歳。カプセル自販機での作品販売は以前から部内で話題になっていたが、新作展に向けた議論の中で「何か挑戦的なことをしたい」との声が沸騰。「ガチャガチャ世代の人形師もいるので特に抵抗感はなかった」(青年部)ことから実施が決まり、青年部として新品のカプセル自販機2台(約4万円)を購入したという。
 販売する作品は1個500円と博多人形としては超破格値。直径7・5センチの透明カプセルに封入する。2台の販売機にそれぞれ「歌舞伎」と「フリー」のテーマを設定し、歌舞伎の販売機にはくまどりを施した役者の顔や「鏡獅子」の獅子頭、フリーの方にはテディベアやフクロウなど、若手作家らしく趣向を凝らした人形を用意するという。
 小型玩具のカプセル自販機は、成田空港などで余った硬貨を使い切りたい外国人観光客らに大人気。青年部の永野繁大会長(40)は「不安はあるが、これも挑戦。新作展で好評なら、観光客向けに設置場所を増やしたり、人形師ごとに自販機を用意したりすることなども検討したい」と話している。
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