仙台国税局は1日、相続税や贈与税の算定基準となる1月1日時点の路線価を発表した。宮城県の標準宅地の平均変動率は5・1%プラスとなり、12年連続で上昇。都道府県別で全国5位の伸び率を記録した。県内の最高路線価は仙台市青葉区中央1丁目(旧さくら野百貨店仙台店前)の「青葉通」で、1平方メートル当たり363万円だった。
路線価 主要な道路に面した土地1平方メートル当たりの評価額。相続税や贈与税の算定基準となる。国土交通省が発表する公示地価や売買実例、不動産鑑定士らの評価などを基に算定する。公表後の地価変動による不公平な課税を避けるため、公示地価の8割程度の水準としている。対象は全国約32万地点(標準宅地)で、うち東北は2万2052地点。国税庁のサイトなどで閲覧できる。
新型コロナウイルスが5類に移行し、不動産取引が再び活況を取り戻した。県内の税務署別最高路線価の上位10地点は、前年から順位に変動はなくトップ3を仙台市内が占めた。青葉区本町2丁目(江陽グランドホテル前)の「広瀬通」は、東北6県で最も高い6・2%の上昇率を記録した。
東北6県の平均変動率は1・8%プラスで9年連続の上昇。青森県が前年の下落から横ばいに転じ、現在の計算方法となった2010年以降で、初めて東北6県からマイナスが消えた。
県別では宮城が東北の平均値をけん引。青森は14年続いた下落から脱した。岩手は0・6%、秋田は0・9%、山形は0・3%、福島は0・9%のいずれもプラスで前年に比べて上昇率が拡大した。
宮城県内10税務署別の最高路線価と変動率
順位 税務署名 所在地 2024年 2023年 変動率(%)
1 仙台中 仙台市青葉区中央1丁目 青葉通 3630 3470 4.6
2 仙台北 仙台市青葉区本町2丁目 広瀬通 2230 2100 6.2
3 仙台南 仙台市太白区あすと長町1丁目 あすと長町大通り 390 370 5.4
4 塩釜 多賀城市中央2丁目 多賀城駅北線通り 105 100 5.0
5 石巻 石巻市恵み野2丁目 石巻工業港曽波神線通り 64 63 1.6
6 気仙沼 気仙沼市本郷 県道26号通り 54 56 ▲3.6
7 古川 大崎市古川駅前大通1丁目 市道駅前1号通り 52 50 4.0
8 大河原 大河原町新南 国道4号通り 39 38 2.6
9 佐沼 登米市迫町佐沼中江2丁目 市道中江飯島線通り 26 26 0.0
10 築館 栗原市築館宮野中央1丁目 市道宮野中央23号線通り 23 23 0.0