路線価調整、最大8割減=福島原発周辺は実質ゼロ―大震災被害を反映・国税庁

相続・贈与税の申告に用いられる2011年分の土地の路線価について、国税庁は1日、東日本大震災を反映した調整率を公表した。全対象地域で最小だったのは宮城県女川町の一部に適用する0.20で、地価が8割下落したとみなされた。東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の飛散は「前例がなく評価が困難」と考慮しなかった一方、「原発周辺の土地は価額をゼロと申告して構わない」と異例の判断を示した。
 対象となったのは、岩手、宮城、福島などの7県全域と埼玉、新潟、長野県の一部。調整率の設定は1995年の阪神大震災に続いて2度目だが、率が最小で0.75だった前回と比べ、地震・津波被害の広がりと深刻さが改めて浮き彫りとなった。
 原発事故で実質的なゼロ評価になったのは、福島県で警戒区域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域(解除)に指定された大熊町、双葉町など12市町村内の地域。国税庁は「地価が相当程度下がったと考えられ、納税者のために最大限低くした」と説明した。 

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