身長2センチ縮むと、転倒リスク2倍に…埼玉医大など中高年を調査

若い頃より身長が2センチ以上低くなった中高年は、転倒する確率が2倍に高まるとの調査結果を、埼玉医大などの研究チームがまとめた。

14日から名古屋市で開かれる日本老年医学会で発表する。

要介護状態になっていない埼玉県内の60〜70歳代の男女約460人を対象に、身長の変化や体力の調査を実施。2年後にアンケートを行い、過去1年間に転倒経験があったかどうかを聞いた。

回答が得られた約380人について分析したところ、20〜30歳代より身長が2センチ以上低下していた約150人では、20%が転倒を経験していた。一方、低下が2センチ未満だった人の転倒経験は10%で、発生率に2倍の差があった。身長が低下していた方が、片脚立ち時間が平均で20秒近く短いなど、体力テストの結果でも差があった。

加齢に伴う身長低下は、背骨の圧迫骨折だけでなく、筋力低下や軟骨のすり減りなどでも起きる。高齢者の場合、転倒による骨折をきっかけに寝たきりになりやすい。調査結果をまとめた新井智之・埼玉医大講師(理学療法学科)は「2センチ以上身長が低下すると転倒リスクが高まる。自宅で簡便にリスクを確認する目安として役立ててほしい」と話している。

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