転売電子ギフト、相次ぎ無効化 救済なく泣き寝入り、100万円超も

インターネットの転売仲介サイトで買った電子ギフト券が使えなくなるトラブルが増えている。 【図解】電子ギフト券転売によるトラブル  詐欺グループが仲介サイトで換金していることなどを背景に、「転売は規約違反」とするギフト発行元が無効化したことが主因とみられる。総額100万円超が無効化された利用者もおり、救済されずに泣き寝入りする人も多く、国民生活センターは「正規ルートで購入してほしい」と注意を呼び掛けている。  電子ギフト券は発行元に番号を登録すると、電子マネーとして使えるなど利便性が高く、利用者は増加傾向にある。手数料を取り、売買を仲介するサイトも活況を呈している。  一方、仲介サイトで売買されたギフト券が無効となるトラブルは数年前から目立つようになった。電子決済に詳しい成城大の中田真佐男教授(金融論)は「特殊詐欺グループがだまし取ったギフト券を仲介サイトで換金することもある」と指摘。犯罪を助長するとして、発行元も転売ギフト券の対策を強化している。  「初めて規約違反と気付いた」。10月、仲介サイトで15万円分のギフト券を2割引きで購入後に突如、無効化された東京都の男性(45)は肩を落とす。サイト側は「発行元が無効にしたギフト券は一切責任を負わない」と補償を拒否。発行元も「販売者に連絡して」と返金に応じなかった。販売者と連絡が取れないまま、泣き寝入りを余儀なくされた男性は「仲介サイトは(転売を)違反と分かって運営している」と訴える。  ギフト券発行元の多くは、規約で転売禁止と明記している。一方、転売仲介サイトは「個人間の取引は自己責任」と強調。ギフト券が無効化された利用者を救済する仕組みはないのが現状だ。  トラブルが相次ぐ事態について大手仲介サイトに取材を申し込んだが、期限の2日までに回答はなかった。

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