北米の「25年ルール」の対象車は登録車ばかりではない。近年では軽乗用車や軽トラも人気だ。日本の農作業で重宝されているように、広さがケタ違いのアメリカの農地での移動用や、カスタムベースとしても愛されているという!!
■アメリカでなぜ軽自動車が人気?
軽自動車は排気量やボディサイズ、パッケージングや衝突安全性に至るまで日本独自の規格で作られたクルマである。長所として、
・小さいボディに660ccのエンジンを搭載
・4WDモデルもあり舗装路以外の走破性も高い
・登録車と同様の衝突安全性や先進安全装置を確保
・高速道路の最高速度も登録車と同じ
などなど。海外では小さなサイズのトラックはあってもここまで高性能な仕様は存在しないし、アメリカでいうと州間高速道路(インターステイト=最高規格の高速道路)は走行禁止だったり速度制限が厳しかったりする。
アメリカでは並行輸入車であっても製造(年月日)から25年を経過すればいわゆる「25年ルール」が適用されFMVSS(連邦自動車安全基準)の縛りがなくなり輸入条件が大きく緩和される。
ただし、これはあくまでも国の輸入ルールなので、販売や登録となると州によって軽自動車に対して厳しい判断を下される場合もある。
また、アメリカ以外はオーストラリアでも人気急上昇中だ。2017年にGMホールデンが国内生産をやめたことで、中古車輸入の諸規則や関税などが軽減された。オーストラリアは日本と同じ左側通行・右ハンドルなので日本車は好都合なのである。
アメリカで人気の軽といえばスズキ カプチーノやホンダ ビートなどの軽オープン、ホンダ アクティバンなどのバンタイプもじわじわと輸入台数が増えているが、やはりダントツ人気なのは軽トラックである。
ホンダブランド自体の人気が高いため、ホンダ アクティを筆頭に、ダイハツ ハイゼットやスズキ キャリイなど、広い公園の保守管理用や4WDなら特に狩猟のアシとしても人気が高い。
また、カスタムトラックとして使うマニアからも大人気で世界最大の改造車のショウ「SEMAショー」や「JCCS」(日本旧車集会)でも軽トラベースのカスタムカーが増えている。
■日本の中古軽トラはアメリカではいくらで売られている?
驚くことに日本では値段がつかないような軽トラもアメリカでは100万~150万円以上で販売されている実態がある。10万km超えていても新車から30年(!)経過していても日本ではありえない高価格で販売されているのだ。
その一方で、近年軽トラの盗難も激増中。軽トラオーナーの多くは農業、林業、漁業に携わる高齢者が多いと思われ、家の前や田んぼのあぜ道に鍵を付けっぱなしで置いておくオーナーも少なくないだろう。窃盗犯のターゲットにされないようどうか気を付けて!