軽自動車増税が引き金 スズキは外資メーカーの標的になる

 政府・与党は14年度の税制改正で、軽自動車税を増税する方針を固めた。軽自動車に強いスズキの鈴木修社長(83)は、当初から「弱い者イジメだ」と怒りをあらわにし、
 「所得の少ない人が仕事や生活に軽自動車を利用している」と反発。だが、増税の流れは変わらなかった。
「そもそも軽自動車税は米国がTPP交渉で持ち出した案件です。増税幅は別として、日本は他の交渉事を有利に進めるためにも受け入れるしかなかったでしょう」(市場関係者)
 自民税調は“弱い者イジメ批判”をかわすため、増税対象を新規購入に限る方針を打ち出したが、クルマはいずれ買い替える。利用者にとっては増税の先延ばしに過ぎない。
「現行は年7200円ですが、1.5倍にする案が有力です。こうなると、軽自動車を手放す人が続出するかもしれません。メーカーは売り上げ激減に襲われます。業界再編も視野に入ってきます」(経済ジャーナリストの井上学氏)
■業界再編は必至!?
 軽自動車の主力メーカーはダイハツ工業とスズキだ。ただ、ダイハツはすでにトヨタ系列となっている。問題はスズキの未来だ。
「低価格で小回りの利く軽自動車は、アジア地域で需要は高まるばかりです。スズキ争奪戦が起きても不思議ではありません。外資は虎視眈々(たんたん)です。中国や韓国の自動車メーカーが、敵対的TOBを仕掛けてくる危険性も捨て切れません」(井上学氏)
 スズキは一時、独フォルクスワーゲンと提携していたが、ずっと独立系として歩んでいる。軽自動車増税が再編のキッカケとなりかねない。

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