仙台市は今月下旬、道路の占用許可を緩和し民間の創意工夫による魅力的な活用を促す国の「歩行者利便増進道路(通称・ほこみち)制度」に基づき、青葉区の定禅寺通と稲荷小路を対象に指定する。両エリアでは、歩道や車道の一部を活用してマルシェを開催するなど、新型コロナウイルスの影響で疲弊した市街地のにぎわい創出を目指す。
指定するのは、定禅寺通(西公園通-東二番丁通)675メートルと、稲荷小路(定禅寺通-広瀬通)364メートル。地元親交会などが占用主体となり、8月中に歩道へのテーブルセットやテラス席の設置、マルシェの開催を目指す。
定禅寺通では2021年8、9月、車線を縮小する社会実験があった。規制による交通の混雑はほとんど生じず、イベントの実施などにより滞在者数は従来の2倍以上に増えた。
仙台市と社会実験を共催した定禅寺通周辺の町内会や地権者らの官民組織「定禅寺通活性化検討会」は、市に4月に提出した「まちづくり基本構想」でほこみち制度を念頭に活性化策を提案していた。
制度は、道路行政の視点を「車中心」から「人中心」に転換して道路の活用を図ってもらおうと、国が20年11月に導入した。対象路線は道路管理者が指定する。これまで大阪市の御堂筋や神戸市の三宮中央通り線などが制度を活用して、オープンカフェやアート展示などでにぎわい創出を図っている。東北では盛岡市に続き2例目。