農林水産省は3日、新しい食育活動「マジごはん計画」をスタートさせた。食生活改善の必要性などを訴えてきた従来の活動から転換し、「食のことを考えよう」とシンプルに強調。女性を中心に若い世代への浸透を狙っているのが特徴だ。
食や農業について国民が「本気(まじ)」で考えるよう働きかける活動で、同省内でこの日開いた記者発表会にはモデルの佐々木希さんが登場。「モデルは体力勝負なので、ちゃんと食べるようにしています。楽しく食事をすることが一番大事」と呼びかけた。また、フードコーディネーターのSHIORIさんは「カブの豆乳ポタージュ」など野菜を使った独自メニューを紹介した。
計画は、東京・渋谷で5日に開かれる国内最大級の若者向けファッションショー「東京ガールズコレクション」で本格始動。佐々木さんやタレントのMEGUMIさんらが参加し、食べることや料理について語りかける。
女性向け雑誌とも連携し、野菜を食べやすくするレシピなどを掲載。インターネットやスマートフォン(高機能携帯電話)のアプリケーション(応用)ソフトも活用する。
農水省は栄養のバランスが取れた食生活を広げるなどの活動に重点を置いてきたが、「正論をそのまま訴えても若者の心には響かない」として、10~20代の女性の関心が高いファッションや美容と関連づけ、活動の認知度を上げることに主眼においた新たな計画を導入した。
政府の行政刷新会議の「事業仕分け」で食育活動の予算が減らされたこともあり、農水省の若手職員が3月中に推進チームを結成。費用を抑えつつ、「食べることを大切に思える機会を提供していく」という。