<市場にない品も>
マンションが立ち並ぶ仙台市泉区八乙女の住宅街に「農直レストラン穂野か」はある。登米市中田町でコメや野菜を作る農業生産法人の経営だ。日中3時間の営業だが、野菜を中心にしたメニューで主婦やサラリーマンが集う。
登米市をはじめとして宮城県内の農家から毎朝届く野菜には、市場にもなかなか出荷されない珍品も多い。この日の料理には、糸のようにほぐれるソーメンカボチャの天ぷらや、中華料理に使われるクウシンサイの煮びたしが並んだ。
農薬代わりに蜂蜜を散布して栽培した「はちみつ米」や五穀米のご飯と、みそ汁、漬物と季節の蒸し野菜はバイキング形式で提供。自家製のみそマヨネーズで食べる蒸し野菜は「野菜が甘くておいしい」と好評だ。
料理は、その日の収穫状況に合わせて急きょ、変更になることもある。「旬のものはおいしいし安い。市場で仕入れるのではなく、畑で採れる物を使うのが農直レストランの魅力」と、スタッフの白根沢恵子さん(63)は話す。
<米粉で生麺開発>
商品開発にも熱心だ。ひとめぼれの米粉に野菜を練り込んで作った生麺「野菜ヌードル」は、つなぎにジャガイモでんぷんを使った。小麦アレルギーにも対応できるという。
白根沢さんは「お昼時でもゆったりお食事を楽しんでいただけると思う。おいしい野菜を味わいに来てほしい」と語る。
<メモ>仙台市泉区八乙女1丁目1の2。営業は午前11時~午後2時。日、月曜定休。022(371)8402。