近年、男性に増え続ける「性嫌悪障害」とは?

昨年から、性行為の際に射精できない「膣内射精障害」が問題となっているが(「今、男性の膣内射精障害が問題になっている」http://wpb.shueisha.co.jp/2012/07/26/12890/)、新たに、射精をすることはできても性交できない「性嫌悪障害」が急増中だという。この病気はどんな人がなってしまうのか。そして、どうすれば治療できるのか。
日本家族計画協会が2年ごとに行なっている調査では、1ヵ月以内に性交渉がなかった夫婦の割合は、31・9%(2004年)、34・6%(06年)、36・5%(08年)、40・8%(10年)、41・3%(12年)と着実に増加している。
このようにセックスレス・カップルが増えている要因はいくつか考えられるが、その中のひとつに「性嫌悪障害」がある。
性嫌悪障害とは、性行為や性的な事柄に対して強烈な嫌悪感を抱く症状だ。実際は、嫌悪感などという生やさしいものではなく、“性交恐怖症”に近い。
1990年代までは、これは主に女性がかかる病気といわれていた。例えば、幼少期の性的虐待や職場でのセクハラなどをきっかけに、性嫌悪障害になってしまった女性も少なくなかった。しかし、ここ10年で、男性の患者が急激に増加。現在では、女性よりも患者数は多いといわれるほどだ。
では、なぜ男性の「性嫌悪障害」が増えてきたのか。ある医療ジャーナリストが指摘する。
「原因を特定することは難しいですが、年代別に大きな特徴があります。それぞれのケースを挙げてみましょう」
■20代の場合
若い世代に多いのが、性行為自体を面倒くさがるケース。性欲自体はあるものの、趣味や遊びのほうに興味がいっている状態。パートナーから性交を求められても、嫌悪感しか残らない。
■30代の場合
性嫌悪障害を患う中心層がこの世代。もともと恋愛に消極的な草食系男子が多く、女性からの積極的な性行為へのアプローチには大きな嫌悪感を抱いてしまう。また、過去の性交の失敗がトラウマになっているケースも少なくない。
■40代の場合
性行為自体が嫌いなのではなく、パートナーとの性行為に対してのみ嫌悪感を抱くケースが多い。また、この世代は仕事が忙しく、そのストレスから性嫌悪障害になっていることもある。
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以上が、年代別に見られる特徴だが、これにプラスして、パートナーに対する関係性の変化も指摘されている。前出の医療ジャーナリストが言う。「簡単に言うと、奥さんや恋人が性的な対象として見られなくなるケースです。例えば、子供が生まれたことなどをきっかけに、奥さんが母親のような存在になってしまう。自分の母親がどんなに魅力的な女性でも、その母親と性交をしたいと思わないように、奥さんに対しても同じような肉親愛を抱いてしまい、性交ができなくなってしまうんです。
人によっては、母親へのそれではなく、姉や妹に対する愛情のように変化してしまう場合もあります」
治療法としては、セックス・カウンセラーやセックス・セラピストの資格を持つ専門医に相談するのがベストだが、完治する例は非常に少ない。今後の大きな課題となりそうだ。

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