総務省は23日、ふるさと納税制度で地方自治体が寄付者に贈る返礼品の価格について、寄付額の3割を上限とするよう自治体に求める方針を固めた。
返礼品の金額に目安を設けるのは初めてで、各自治体が寄付を集めるために高額の品を贈る「返礼品競争」の是正を図る。4月上旬に全国の自治体に通知する。
ふるさと納税をめぐっては、返礼品として贈った商品券がインターネット上で転売されるケースが相次いだ。寄付額の7割に相当する返礼品を贈る自治体もあるなど競争も過熱しており、高市早苗総務相は「ふるさと納税が寄せられても、地域のための施策に充てる財源が実質的に減ってしまう」と、対応策を検討する考えを示していた。
総務省は、各自治体が返礼品をそろえる際にかかる金額が寄付総額の約38%(2015年度)となっていることなどを踏まえ、返礼割合が高い自治体は3割を上限に抑えるよう要請する方針。通知に強制力はないが、対応を取らない自治体には個別に改善を促す。
ふるさと納税は、出身地や応援したい自治体に寄付すると、寄付金額のうち2000円を超える額が個人住民税などから控除される。各自治体が贈る地域の特産品などの返礼品が人気を集め、15年度の寄付総額は1653億円と、制度が創設された08年度の20倍以上に拡大した。