通信速度はLTEの10倍、4G携帯4社名乗り

 光ファイバー並みの高速通信が可能になる第4世代(4G)携帯電話システムの実現に向けて、総務省は23日、周波数の割り当て作業を始めた。
 今年11月頃には割り当てを受ける通信会社が決まり、2016年度に4Gを使ったサービスが始まる見通しだ。
 総務省内で23日開かれた公開ヒアリングには、割り当てを希望するNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、イー・アクセスの4社の社長が出席し、20年の東京五輪をにらんだ4Gによるサービスの構想をアピールした。ドコモの加藤薫社長は、1人の選手のプレーを複数の角度から観戦するサービスを、KDDIの田中孝司社長は、サングラスタイプの機器で現在の競技と過去の五輪の映像を同時に見る観戦方法を、それぞれ提案した。
 4Gでは、最大で、光ファイバーにつないだパソコン並みの1Gbps(ギガ・ビット毎秒)の高速通信が可能になる。DVDに収められた2時間の映画が30秒でダウンロードできるという。現在のLTE(次世代高速通信)に続く通信技術「LTEアドバンスト」が使われ、LTEに比べると通信速度は10倍だ。
 総務省によると、スマートフォンの普及で、携帯電話のデータ通信量は1年間に約2倍のペースで増えている。特に、駅前など人が集まる場所で局所的に通信量が膨れあがる傾向にある。こうした状況に対応するには、新たな電波が必要となってくる。
 総務省が今回割り当てる電波は3400~3600メガ・ヘルツの周波数帯で、200メガ・ヘルツの幅があるが、一部をテレビ局などが使っているため、すぐに使えるのは120メガ・ヘルツの幅だけだ。十分なサービスを行うには、1社当たり40メガ・ヘルツが必要だとされ、割り当てられるのは3社分しかない。

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