通学時間が1時間超、うつ症状リスク1.6倍増 志望校選びは慎重に

通学時間が片道1時間を超えるなど、遠距離通学の高校生ほど抑うつ症状や不安症状が出るリスクが高いことを、日本大学の研究チームが明らかにした。子どもの志望校を決める際、親や教師は通学時間も含めて考えるべきだと研究者は指摘する。 【画像】中学受験、難関校で「優秀な生徒」に囲まれると… 研究が示すリスク  日本精神神経学会の学術誌に論文を発表した(DOI: 10.1111/pcn.13714)。これまで日本には、通学時間とメンタルヘルスの関連性を調べた研究はほとんどなかった。思春期に心理的問題を抱えると、大人になってから精神的疾患の発症につながることもあり、暴力や自殺とも関連するとされる。  公衆衛生学を専門とする大塚雄一郎准教授と中島英専修研究員らは2022年10~12月、首都圏と東北地方の私立高校に通う約2千人の高校生を対象にオンラインで調査を実施した。  その結果、回答した約1900人中、17.3%に抑うつ症状、19.0%に不安症状がみられた。通学時間が1時間以上かかる生徒は、30分未満の生徒に比べ、抑うつ症状が出るリスクは1.6倍、不安症状が出るリスクは1.5倍ほど高い傾向があった。回答者の約30%が通学に1時間以上かかっていた。

朝日新聞社

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