運の「いい人」と「悪い人」の大きな習慣の違いとは?

「ドリームジャンボ宝くじ」と「ドリームジャンボミニ1億円」が、5月10日から2種類同時発売された。「ドリームジャンボ宝くじ」は、1等賞金が5億円、1等前後賞が各1億円で、1等と前後賞を合わせれば賞金7億円。「ドリームジャンボミニ1億円」は、1等賞金1億円が24本とチャンスが広い。今回も有名販売所では発売を待ちわびる人々の行列ができたそうで、我が国の宝くじ人気は揺るがないものがある。当せんの確率を上げる科学的方法がないだけに、誰もが「運試しに」「運がよければ当たるかも」と購入するわけだが、そもそもこれだけの人たちが気にする「運」って何なのだろう? そして運をよくする方法はあるのだろうか? 『精神科医がみつけた 運のいい人、悪い人の心の習慣』(水島広子/海竜社)を読んでみた。

■出来事に左右されない「運のいい人生」は可能だ

そもそも「運のいい人生」か「悪い人生」かは、主観的なもの。有名でもお金持ちでもないささやかな生活を送りつつ「運がいい」と幸せを噛みしめる人もいれば、功成り名遂げても不平不満が多く、それこそ宝くじに当たっても幸福感からほど遠い場合もある。思いがけないラッキーが、人生を悪い方向に狂わすことも少なくない。

著者は医師やボランティアとして患者や病気でない人とふれあう中で、「自分は運がいい」と感じる人は健全な自己肯定感を持ち、人間関係に恵まれ、自分にあった生活リズムを守っていると気付いた。自己肯定感とは、無条件に自分の存在を肯定する気持ち。「成績がいいから」「美人だから」などの条件に左右されない、常にそこはかとなくある安定感だ。

もちろん自己肯定していてもアンラッキーな事件に遭遇して傷つくことはある(それを無くすことは不可能)。でもこのタイプは「傷つくのは仕方ない」と自分を責めず、必要な時間をかけて傷を癒し、被害者意識を持ち続けない。周囲のサポートも温かい。

一方で「運が悪い」と感じる人は条件つきで自分を認めているので、ネガティブな出来事が起こると自分を責める。自己否定がはじまり、何をしても「自分なんてどうせダメ」となりがちだ。運が悪いと思っているからよけいに悪い出来事を引き寄せ、悪循環にはまる。ここから抜け出したければ、たとえアンラッキーの原因が自分だったとしても、そうなる事情があったのだと認め自分を許すこと。少なくともその時はできる範囲で誠実に取り組んだのだ…と思えるようになると、肩の力が抜けてくる。そして何事も上から目線で決めつけてこない、心の傷をえぐらない友人を増やしていこう。

具体的には本書の最終章「運のいい人になるための、手っ取り早い『心の習慣』」で提案されている「明るく挨拶する」「時間を守る」「『結果』ではなく『あり方』に目を向ける」「人生を『勝ち負け』で考えない」「よく笑う」などの8項目が参考になる。

つまり、仕組みを知れば誰でも運のいい人生は実現できるのだ。皆様、くじに当たっても外れても、運のよい人生を!

文=青柳寧子

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