山形県東根市が、隣接する仙台市につながる主要道路沿いに道の駅「さくらんぼ東根(仮称)」の整備を計画している。2029年度開業の見通し。地理的な優位性を生かした施設を「仙台方面からのゲートウェー(玄関口)」と位置付け、東根の情報発信や観光誘客の拠点として活用を目指す。
仙台駅から車で60分圏内 好立地生かし誘客図る
市は基本計画案をホームページに公開し、30日まで市民らから意見を募集している。用地の測量や買収などを経て27年度に着工する計画。事業費は約16億5000万円を見込む。
基本計画案によると、予定地は宮城、山形両県を結ぶ国道48号に接続する県道東根大森工業団地線沿いの約1万7000平方メートル。年間約50万人が利用するJAさくらんぼひがしね(東根市)の産直施設「よってけポポラ」が隣接しており、連携した整備を目指す。
施設は、飲食や産品販売、観光案内の機能を持つセンター棟、170台規模の駐車場などで構成。イベント広場(約3000平方メートル)の一部に屋根を設けて交流事業の場とし、災害時の防災拠点としての活用も想定する。1日の立ち寄り客を約5000人と見込む。
東根市は17年度から整備の構想を進め、国道13号沿いなど候補地4カ所から予定地を選定した。約45キロ離れたJR仙台駅から乗用車で60分圏内となる。
市が昨年11月、よってけポポラなど市内の観光拠点3カ所で実施した来訪者アンケートでは、宮城県からが約4割を占めた。市建設課は「予定地は仙台圏からのアクセスに優れ交通量が多く、広域的な交流の促進が期待できる」と説明する。
21年に市内を訪れた観光客は120万人で、新型コロナウイルス禍前の19年から46万人減った。市は広域的な誘客が見込める道の駅整備で観光再生に弾みをつけたい考えだ。