第92回選抜高校野球大会(19日から13日間、甲子園)の無観客での大会開催を前提に準備を進めることが4日、決まった。日本高野連が大阪市内で会見を開き、発表した。一方で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、3月11日に大会可否の最終判断を行うことも合わせて発表された。無観客で開催された場合でも、開会式は実施しない。
日本高野連は4日午後2時から、大阪市内で運営委員会と緊急理事会を開き、開催の可否を協議した。
日本高野連や大会本部は、新型コロナウイルス感染が拡大する中でも通常開催を模索してきた。しかし、先月27日に政府が小中高の全面休校を発表して状況は一変。関係者は会議前に「通常開催は現状では難しい。無観客で開催するのか、中止するのかを議論することになるだろう」と話していた。選手や関係者が長時間密閉空間にいたり、宿舎で合宿生活を送ることによって感染のリスクにさらされる懸念なども含め議論が重ねられた。
無観客での大会開催となれば、春夏を通じて史上初となる。選抜大会は太平洋戦争の影響で1942~46年に中断したが、95年1月に阪神大震災が起きた際は開催が危ぶまれたが、鳴り物での応援を禁止するなど、災害復興への理解を求めながら開催。同様に2011年の東日本大震災の際も入場行進を一部省略するなどして、予定通りに行われた。
スポーツ界ではサッカーJリーグが公式戦を延期し、プロ野球のオープン戦と大相撲春場所が無観客開催となるなど自粛の動きが広がっていた。