避難所の受け付け時間、わずか6秒 LINEで迅速に 岩手県が実証実験

 岩手県は18日、久慈市の宇部市民センターで、デジタル技術を活用した避難所運営の実証実験を行った。災害対応のデジタル化を進め、迅速で的確な支援を目指す。

 住民や市職員ら約50人が参加。避難所の受け付けでは名前などを紙に記す従来の方法と、マイナンバーカードなどで個人情報を事前登録し、通信アプリ「LINE」(ライン)を使う方法を体験した。

 結果は紙が平均2分10秒かかったが、デジタルはQRコードの読み取りだけで受け付けが終わり、所要時間の平均はわずか6秒。他にも支援者のニーズや避難した人の位置情報を容易に収集できることを確認した。参加者は所要時間の短さや利便性を評価した。

 今回の実証実験では、デジタル技術で行政サービスを支援する「ボットエクスプレス」(東京)が開発した官公庁専用対話型アプリ「ガブテックエクスプレス」をLINEに連携したシステムを使った。既に全国の自治体など約270の団体で導入されており、岩手県も今後、実験結果を踏まえ、市町村と実用化に向けた検討を進める。

 県復興危機管理室の田沢清孝総括危機管理監は「市町村職員の負担が大きい避難所の運営を効率化し、災害に備えたい」と語った。

 ボットエクスプレスの中嶋一樹社長は「他の自治体でも同じように情報を集め、災害対応に活用できる。高齢者でも利用しやすいよう、デジタル意識を高める機会を設けることも大切だ」と話した。

タイトルとURLをコピーしました