東京都心で半世紀ぶりに海水浴場復活へ――。
東京都は18日から、葛西海浜公園(江戸川区)で試験的に海水浴場をオープンし、需要や安全性を確認する社会実験を開始する。同公園では、地元NPOが 2012年から「海水に顔をつけない」などの条件で都の許可を受け、海水浴の体験イベントを開いてきたが、今回は「顔つけ」も解禁となる。
島を除く都内では、葛西のほか、大森海岸(大田区)や芝浦(港区)など各所に海水浴場があったが、湾岸部の埋め立てや高度経済成長期の水質悪化で1960年代にはすべて姿を消したとされる。
その後の下水道普及や排水規制強化で水質は改善。NPO法人「ふるさと東京を考える実行委員会」が、昨年夏に葛西海浜公園で開いた海水浴体験イベントには、18日間で計1万5000人が訪れた。
都が今回、同NPOと協力し、社会実験として復活させる海水浴場は、同公園の干潟に、幅150メートルにわたって顔を海水につけられる「遊泳ゾーン」を 設定。有料の更衣室やシャワー、コインロッカーといった施設を整備し、監視員の配置や、人を刺すアカエイの侵入防止ネットを張るなどの安全対策も実施す る。