都道府県「貯蓄額」ランキング…1位と47位に「1,808万円」もの差

将来、年金だけで暮らしていけるわけないし……と、日本人であれば誰もが不安を抱えている昨今、貯蓄志向が強まっているといわれています。そこで総務省の統計から日本、そして都道府県ごとの「貯蓄」について考えていきます。

【関連記事】【すべて見る】都道府県「貯蓄額」ランキング…2021年「1~47位」を発表

貯蓄額…全国平均1,791万円、中央値は1,061万円

総務省『2020年家計調査 貯蓄・負債編』によると、二人以上の世帯における1世帯当たり貯蓄現在高の平均は1,791万円、中央値は1,061万円。平均値は前年よりも40万円ほど増加しました。

そのうち、世帯主が会社や官公庁等に務めている勤労者世帯(社長や取締役、理事など、会社団体の役員である世帯を除く)の平均は1,378万円、中央値は826万円。平均値は前年から2万円ほど増加となりました。

2020年は、一律10万円の給付金があり、結果、所得増となった家庭が多かったようですが、勤労世帯の多くは消費にまわしたと考えられます(余裕がなく、消費にまわすしかなかった、という事情が見え隠れしますが)。

世帯主の年齢別にみていきましょう。現役世代(~59歳)の平均貯蓄額は1,203万円に対し、60歳以上の平均は2,309万円。年齢と共に収入が上がるにつれ、貯蓄額は上がっていき、頂点に達するのは60代で2,384万円。住宅ローンの返済が終わったり、子育てが終わったりと、支出が落ち着くこと、また退職金も貯蓄額増の要因だと考えられます。

【世帯主年齢別「平均貯蓄額」】

20代 376万円(年間収入564万円

30代 760万円(年間収入675万円)

40代 1,081万円(年間収入786万円)

50代 1,703万円(年間収入869万円)

60代 2,384万円(年間収入592万円)

70代 2,259万円(年間収入441万円)

出所:総務省『2020年家計調査 貯蓄・負債編』より

次に世帯主の勤務先の企業規模別にみていきましょう。企業規模が大きくなると世帯収入も増えるため貯蓄額も増える傾向にあります。この結果をみても「できることなら大きな企業に勤めたい」と願う会社員が多いのも、当然なのかもしれません。

【世帯主勤務先の企業規模別「平均貯蓄額」】

「従業員10人未満」948万円(年間収入586万円)

「従業員10~30人未満」1,040万円(年間収入600万円)

「従業員30~100人未満」1,130万円(年間収入657万円)

「従業員100~300人未満」1,389万円(年間収入738万円)

「従業員300~500人未満」1,255万円(年間収入729万円)

「従業員500~1,000人未満」1,586万円(年間収入778万円

「従業員1,000人以上」1,580万円(年間収入847万円)

「官公庁」1,580万円(年間収入863万円)

出所:総務省『2020年家計調査 貯蓄・負債編』より

都道府県別に「平均貯蓄」と「年間収入」に注目してみると

都道府県ごとにみていきましょう。最も貯蓄額が多いのは「東京都」で2,542万円。続いて第2位は「愛知県」で2,333万円。「千葉県」2,207万円、「神奈川県」2,163万円、「徳島県」2,098万円と続きます(関連記事:『【すべて見る】都道府県「貯蓄額」ランキング…2021年「1~47位」を発表』)。

【都道府県「貯蓄額」上位5】

1位「東京都」2,542万円/816万円

2位「愛知県」 2,333万円/657万円

3位「千葉県」2,207万円/733万円

4位「神奈川県」 2,163万円/690万円

5位「徳島県」 2,098万円/613万円

出所:総務省『2020年家計調査 貯蓄・負債編』より

※数値右:貯蓄額、数値左:年間収入額

一方で最も貯蓄額が少ないのが「沖縄県」で734万円。第2位(46位)は「青森県」で1,013万円。「宮崎県」1,022万円、「熊本県」1,098万円、「高知県」1,135万円と続きます。

1位「東京都」と47位「沖縄県」には1,808万円もの貯蓄差があります。ただ「東京都」はは全国でも収入が圧倒的に多く、「沖縄県」とは353万円もの収入差があります。当然といえば当然ですが、46位「青森県」のほうが収入額は下。それにもかかわらず、46位「青森県」と47位「沖縄県」の間には279万円もの貯蓄差があります。

そこで貯蓄額と収入の比較でみてみると、収入に対して貯蓄が多い(平均貯蓄額÷年間収入)のは「愛知県」。年間収入の3.55倍の貯蓄をしています。以下「徳島県」「京都府」「奈良県」「神奈川県」と続きます。どれくらい生活費がかかるかなどの要因も絡んできますが、これらの地域は全国的にも貯蓄志向が強い地域だということがいえそうです。

そして収入に対して貯蓄が少ないのが、やはり「沖縄県」。年間収入の1.59倍の貯蓄額となりました。以下「山形県」「宮崎県」「熊本県」「愛媛県」と続きます。

もちろん単年の調査結果なので、地域の実情と異なる結果かもしれませんが、定年後、年金だけでは心許なく、貯蓄を取り崩しながら生活していくことが一般的な老後だと考えると、現役のうちにしっかり貯蓄しておくに越したことはないでしょう。

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