お酒を飲むと赤くなりやすい体質の人は、赤くならない人に比べて骨粗しょう症を発症しやすく、大腿骨骨折(だいたいこつ)のリスクが高いことがわかったと、慶応義塾大学が発表した。
骨粗しょう症による大腿骨の骨折は、寝たきりなどになりやすいことから、慶応義塾大学の宮本健史医師らのグループはその予防方法を探るため、大腿骨を骨折した人と、したことがない人の遺伝子を調べた。その結果、大腿骨を骨折したことがない人のうち35.4%の人は、アルコールを飲むと赤くなりやすい遺伝子を持っていた。一方、骨折したことがある人を調べると、赤くなりやすい遺伝子の持ち主は57.6%にのぼることが分かった。お酒で赤くなりやすい人はならない人に比べ、骨粗しょう症で大腿骨を骨折しやすくそのリスクは2.48倍高いという。
その理由は、お酒で赤くなりやすい人は、アルコールで発生する「アセトアルデヒド」が分解できず、体内に蓄積されて骨を作る細胞が弱くなるためで、予防にはビタミンEが効果的だとみられている。宮本医師は、大腿骨を骨折し寝たきりにならないためにも、自分の体質を理解し予防することが大切だと話している。