ディスカウントストアや量販店などで、酒類の過剰な廉売を規制する酒税法改正案が、今国会に議員立法で提出されることが13日、わかった。関連法に取引基準などを新たに定め、違反すれば業務改善命令や酒類販売の免許を取り消す処分ができるようにする。
酒税法などの一部改正案は、自民党や民主党などの議員連盟の要望を受け、衆院財務金融委員長案として提出する。今通常国会で成立させ、1年以内の施行を目指す方針だ。
大規模量販店やスーパーマーケットでは、特売の“目玉商品”として、通常の小売店の仕入れ値以下の価格でビールなどを販売するケースがある。
度を越えた廉売により、値引きを強いられる卸売業者や、競合する一般の酒販店などの経営が圧迫されるケースも少なくない。
酒類の不当廉売に対する申し立てや苦情は、「他の物品に比べて群を抜いて多い」(自民党議員)ことから、酒税の円滑な徴収が阻害される恐れがあるとして、法改正に乗り出す。
改正案では、酒類の取引基準を新たに設定し、仕入れ価格や販管費、利益を度外視した合理的でない販売価格は設定できなくする。これまで酒類の価格決定について指針が定められていたが、法的な拘束力はなく、安売りに対しては改善を指導するのみだった。
国税庁によると平成7年度に全体の79%だった一般酒販店の割合は、量販店との競争激化で、24年度には31%まで低下している。