酒・たばこ18歳解禁を 自民特命委、選挙権年齢下げ踏まえ提言

自民党の成年年齢に関する特命委員会(委員長・今津寛元防衛副長官)は31日、改正公職選挙法の成立で選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられることを 踏まえ、民法上の成人年齢を「18歳以上」に改め、飲酒、喫煙の解禁年齢も現行の「20歳」から「18歳」に引き下げるよう政府に求める方針を固めた。

少年法の適用年齢も「20歳未満」から「18歳未満」に引き下げ、国内の法制全体で「18歳以上を成人」と扱うことで統一を図る。近く特命委の会合で提言案をとりまとめ、菅義偉官房長官に提出する。

政府はこれまで、健康被害や非行防止の観点から飲酒や喫煙の年齢制限見直しには慎重な立場。4月に始まった特命委の議論でも、解禁年齢を18歳に引き下 げれば高校3年生で飲酒、喫煙が許される生徒とそうでない生徒が併存するため、「学校内が混乱する」として否定的な意見もあった。

ただ、来夏の参院選から選挙権を18歳から行使できるようになるため、「飲酒、喫煙も18歳から責任を持てるようにした方がいい」と引き下げに賛同する意見が大半で、年齢制限の見直しが妥当と判断した。

特命委幹部は「高校に行かず、働いている人もいる。法律上は18歳に引き下げ、各学校の判断により校則で禁止すればいい」とする。

競馬や競輪などの公営競技についても、18歳から馬券などの購入を可能にするよう求める方針。

一方、民法の定める成人年齢については、法相の諮問機関、法制審議会が平成21年に「18歳に引き下げるのが適当」と答申し、政府に速やかな法改正を要 請。このため、少年法については適用年齢を「18歳未満」に引き下げた上で、適用外となる18~19歳を「若年成人」(仮称)と位置付け、精神の成熟度な どに応じて刑法を適用するかどうかを決めるなど、一定の保護策を導入するよう求める。

今年6月に成立した改正公選法は、選挙権を18歳以上に付与する一方、民法や少年法など関係法令の年齢規定について、「必要な法制上の措置を講ずる」と規定し、改正を促している。

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