野良猫との共存を目指し、仙台市太白区の越路第一・第二町内会が地区にすみ着く猫の一斉捕獲を実施した。捕まえた個体は不妊去勢手術を行い、元の場所に戻す。市が本年度施行した「人と猫の共生に関する条例」に基づき、野良猫を巡る住民トラブルをなくすのが狙い。一斉捕獲に取り組む町内会は市内で初めてという。
越路地区は長年、野良猫に餌をやる世帯とふん尿被害で悩む世帯との間でトラブルになっていた。二つの町内会は有志による「越路ねこプロジェクト」を先月結成。猫の譲渡会を行うペットフード店「フッセジャパン仙台」(若林区)の協力を得て今月7~10日朝に地区内に捕獲器を仕掛け、25匹を捕まえた。
10日は捕獲した猫に不妊去勢手術を施した。若林区のトリミングサロンに設けた臨時手術室に運び込み、活動に賛同した北海道江別市の獣医大門みゆきさん(41)らが執刀した。費用は居酒屋など地域の店に箱を置いて協力金を募った。
飼い主のいない猫を適正に管理する「地域猫活動」として、町内会は餌置き場やトイレなどのチェックもしていく。
プロジェクト代表芹田えりさん(37)は「子どもが撮りためた地域の野良猫の写真を見て、対策の必要性を感じた。野良猫の問題は地域で暮らす皆で考え、一斉に取り組むことが大切。他の地域にも取り組みが広がってほしい」と語った。