野菜の価格戻る 小売りなど攻勢

キャベツや白菜など、高騰していた野菜の価格が落ち着きを取り戻しつつある。鍋物が食卓にのぼる時期だけに、野菜の高値は消費者にとって大きな痛手だったが、11月中旬に約2倍ほどだった価格も、12月に入るころからは、ほぼ平年並みとなってきた。スーパー各社も野菜をセールスの看板にかかげ、“攻勢”に転じようとしている。
 天候不順などの影響で、野菜の小売価格は11月中、下旬では高値で推移。農林水産省の調査では、11月22~26日の小売価格(全国平均、1キロあたり)は、キャベツ255円(平年比209%)、レタス487円(同148)、ダイコン184円(同157%)だった。
 だが、野菜の生育が徐々に安定。農協などの出荷団体が、例年ならば市場に出回らない小さめのサイズまで収穫し、出荷したことも奏功。同月末からは出荷量も増え、鍋物に使うダイコンや白菜の12月出荷は、前年を上回る見通しとなった。
 こうした状況をふまえ、スーパー各社は、野菜をセールスの目玉にすえ、野菜不足にさらされてきた消費者にアピールしている。
 イトーヨーカ堂は、3日から3日間、野菜の日替わり特売を実施。首都圏の店舗でレタス1個やキャベツ1個、白菜4分の1個が各98円と、攻めの価格帯で勝負する。
 一方、ダイエーは4日からの2日間、中に空洞ができた北海道産の「理由(わけ)ありじゃがいも」を、正規品の約半額となる1袋98円で販売し、販売を見込んだ2万2000袋をほぼ完売した。
 野菜価格の高騰で、野菜飲料も人気を呼んでいる。
 伊藤園の「1日分の野菜」は10月、単月の出荷数が前年の4割増となった。同社は「果物との混合飲料よりも、野菜不足で野菜100%飲料の需要が高まったと感じている。野菜を手軽にとりたいというニーズは今後も伸びる」と指摘する。
 6日から新製品「緑色野菜100」の販売を開始。野菜不足で広がった新たな需要の囲い込みに力を入れている。

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