全国の野菜ソムリエが活動を競う「第3回野菜ソムリエアワード」で、宮城県内の個人、団体が5部門中3部門で最高位の金賞に輝いた。東日本大震災被災地での食育活動、地産地消の試みが高い評価を受けた。関係者は「宮城の豊かな食の実現に貢献したい」と張り切っている。
「日本野菜ソムリエ協会」(東京)が主催し、5日に都内で授賞式が行われた。地方組織が対象となる「コミュニティ部門」は「みやぎ野菜ソムリエの会」(大宮牧子会長)が全国52団体のトップに選ばれた。銀賞を獲得した昨年に続く栄誉となった。
野菜とチョコレートを一緒に楽しむ「チョコベジ」活動を展開しており、月1回程度のペースで仮設住宅で体験会を実施している。東北生まれの調理用トマト「すずこま」の消費拡大に向けた取り組みも注目を浴びた。
「認定料理教室部門」では、仙台市青葉区の石館志保子さん(57)が主宰する「花野果村キッチンガーデン」が金賞を射止めた。これまで延べ1000人近くが通っており、石館さんは「震災で見直された家庭内の保存食などを伝えていきたい」と喜ぶ。
宮城県蔵王町の温泉ホテルにある「けやき食堂」は、「認定レストラン部門」で全国206店の頂点に立った。原発事故の風評被害克服に向け、福島の食材の活用を進めるなどしている。
シェフの佐藤浩三さん(66)は「取引先の紹介などで農業振興を後押しする」と意気込む。
石館さん、佐藤さんはいずれもみやぎ野菜ソムリエの会に所属する。大宮会長は「メンバーが連携し、互いに専門性を高める運営スタイルが実を結んだ。今後は行政と歩調を合わせた取り組みを強化したい」と話している。