大根やモヤシなどをスーパー店頭で「1円」で販売したのは、独占禁止法違反(不当廉売)にあたる恐れがあるとして、公正取引委員会が愛知県内のスーパーマーケットチェーン2社に警告する方針を伝えたことがわかった。独禁法は、採算度外視の安売り行為は周囲の零細企業の営業に影響し、将来的に独占状態を招くとして禁じている。
警告を受けるのは、カネスエ(愛知県一宮市)と、ワイストア(同県津島市)。ともに愛知、岐阜、三重で地域密着型のスーパー事業を展開している。
関係者によると、2社は5月中旬、愛知県犬山市内にあるそれぞれの店舗で、6品目ほどの野菜を1円で販売していた。ワイストアが4月末に新規出店し、既存のカネスエとの間で競争が激化していたという。1円での販売は公取委が指摘するまで約1週間続いた。
野菜などを1円で売る行為には、生産者団体からも批判が上がっていた。(矢島大輔)