宮城県気仙沼市は9日、ふるさと納税の2023年度寄付総額が94億8600万円に上ったと明らかにした。東北の自治体で1位となった22年度(49億3900万円)からほぼ倍増し、過去最高を更新。全国の22年度順位で見てもトップ10に入る計算だ。市は銀ザケの切り身など、普段の食卓で使いやすい返礼品の充実が好調の要因と分析する。
「食卓の味」が好調の要因か
寄付件数も約67万件に上り、22年度の約29万件に比べて約2・3倍となった。9日の定例記者会見で説明した菅原茂市長は「全国の皆さんや事業者に心から感謝したい」と話した。
市によると、15~23年度のふるさと納税寄付額と件数の推移はグラフの通り(23年度は速報値)。15年度の総額は1億円台だったが、21年度に10億円を突破。22年度以降、年30億円を超えるペースで増えている。
総務省が23年8月に発表した22年度のまとめで、市への寄付総額は全国27位だった。市に寄せられた23年度の総額をそのまま当てはめると、8位にランクインする水準となる。
ふるさと納税に関し、市では23年度、提供する登録事業者数が増加し、21のポータルサイトを使って寄付申請窓口も広げた。関東、関西、中部からの申し込みが全体の約8割を占める。
返礼品は前年度より300以上多い約1100品目を用意。人気だった牛タン、カニ、フカヒレなどに加え、22年度末に追加した銀ザケやサーモンの刺し身、ハンバーグなどが一年を通じてヒットした。
市は毎年度の寄付額のうち、約5割を「市ふるさと応援基金」として積み立て、小中学校の給食費無償化や第2子以降の保育料無償化などに充てている。
菅原市長は「頂いた寄付金は市の将来を担う、人への投資に活用している。本年度も拡大できるよう努力したい」と意気込む。