銀座の地価、過去最高 商業地8年ぶり上昇 地方は下落

国土交通省が22日発表した今年1月1日時点の公示地価で、商業地の全国平均が8年ぶりに上昇に転じた。業績の良い企業が都心部でオフィスを広げ、海外からの訪日旅行者の消費を取り込もうとホテルの建設も盛んだ。ただ、人口が減っている地方の多くは値下がりが続いている。

東京・銀座4丁目の商業地は1平方メートルあたり4010万円(前年比18・6%上昇)で、全国で最高額だった。銀座ではバブル末期の1991年(3850万円)や、リーマン・ショック直前の08年(3900万円)を超え、過去最高になった。

大阪府の商業地は前年比4・2%上昇し、東京都(同4・1%)を抑え、都道府県別の伸び率で全国トップになった。中国などからの旅行者が急増し、ホテルの建設ラッシュが起きている。訪日旅行者の増加は、京都、愛知、札幌、福岡などの商業地の地価も押し上げている。

商業地の地価は、16都道府県で値上がりした。札幌が引っ張る北海道や、北陸新幹線の開通効果が出ている石川などで、前年の下落から上昇に転じた。

住宅地は前年より0・2%下がった。下落幅は前年の0・4%から縮んだものの、これで8年連続のマイナスだ。大都市部では回復が鮮明になり、マンションの価格も高騰しているが、中小規模の都市では依然として下落が続いている。(下山祐治)

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