銀行業界が現金の振り込み時間を延長へ 午後4時まで1時間増が有力

 全国銀行協会(全銀協)が銀行や信用金庫などで現金を振り込める時間帯を延長する方針を決めたことが10日、分かった。金融機関同士がお金をやりとりするシステムの稼働時間を延ばす。振り込み時間を現在の平日午後3時までから午後4時までに1時間延長する案が有力だが、一部大手行が土日祝日も対応する案も検討しており、年内に方向性を示す。
 全国の銀行や信用金庫などは、資金決済に全国銀行データ通信システム(全銀システム)を使用。現在、即時決済ができるのは平日の午前8時半から午後3時半までに限られ、他行への現金振り込みは、平日の午後3時までに手続きすれば当日中に入金されるが、午後3時以降や土、日曜、祝日の振り込みでは、入金は翌営業日になる。
 システムの時間が延びれば利便性は高まり、インターネット通信販売での即時決済などにも対応しやすくなる。企業には取引先からの入金が早まるなどして、資金繰りにも余裕ができる。一方、規模の小さな金融機関には担当者の増員などで負担が増し、経営の重荷になる可能性あり、延長には慎重な声もある。
 全銀協は全銀システムの見直しを議論しており、簡易的に現行システムの平日稼働時間を延ばし、すべての金融機関が平日の稼働時間を一律に延ばす案や、次期システムで一部金融機関が土日祝日も含めて対応する案が出ている。

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