鎮魂の綿100%タペストリー 仙台空港に寄贈

東日本大震災で被災した沿岸部の農地再生を目指して綿花の栽培と商品化に取り組む「東北コットンプロジェクト」が、被災農地で収穫した綿を100%使ったタペストリーを作り、仙台空港ビルに17日寄贈した。ターミナルビル1階センタープラザに展示される。
 タペストリーは絣(かすり)織りで、縦1.5メートル、横2.5メートル。プロジェクトの依頼を受けた東京の絣デザイナー大水綾子さん(34)が織った。空に綿が舞うイメージを表現し、震災犠牲者が安らかに眠れるようにとの願いを込めた。
 3000本の縦糸には名取市の耕谷地区、8000本の横糸には仙台市若林区荒浜で生産された綿が使われている。
 ターミナルビルで贈呈式があり、綿花生産者の一人、耕野アグリサービス(名取市)の大友清康代表取締役(63)が「心を込めて作った綿が素晴らしい作品になり、感動している」と話した。
 東北コットンプロジェクトは農業生産法人や紡績、アパレル企業などで2011年7月に正式発足。現在仙台、名取、東松島市の計3.5ヘクタールで綿花を栽培している。

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