長々スマホ、学力に悪影響 仙台市教委と東北大、中学生調査

仙台市教委と東北大でつくる「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト委員会」は18日、子どもがスマートフォン(多機能携帯電話)やテレビゲームを長時間利用した場合、勉強時間の長さに関係なく学習効果が薄れる可能性があるとの調査結果を公表した。
 4月に市内の中学生約2万4000人を対象に実施した生活・学習実態調査を基に分析した。1日当たりの利用時間を「ゼロ」から「4時間以上」までの6段階、家庭での学習時間を「30分未満」「30分~2時間」「2時間以上」の3段階で回答してもらい、市標準学力検査の数学の平均点との相関関係を調べた。
 家庭学習を2時間以上している層で見ると、携帯電話の利用を1時間未満にとどめている生徒の平均点は75.0点なのに対し、利用が4時間以上は57.7点で、17.3点の開きがあった。ゲームも1時間未満が74.1点、4時間以上が59.1点で大きな差が出た。
 家庭学習が30分未満の層についても、携帯電話を4時間以上利用する生徒の平均点は47.8点で、1時間未満の63.1点を大幅に下回った。ゲームは1時間未満が62.4点、4時間以上が50.4点だった。
 一部を除き、全く利用しない層よりも、1時間未満で利用している層の平均点が、やや高くなる傾向を示した。委員会座長で同大加齢医学研究所の川島隆太教授は「好奇心が旺盛な層が適度な息抜きとして使い、良い影響を与えた可能性もある。引き続き分析を進めたい」と話した。
 調査は国語、理科、社会でも実施し、同様の傾向が出た。委員会は来年3月をめどに詳細な分析結果をまとめる。

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