東芝は会話とほぼ同時進行で日本語と英語や中国語を翻訳し、タブレット型の多機能端末に訳文を表示したり、音声出力したりできる新しい同時通訳システムを開発した。
これまでの音声翻訳ソフトは短い会話を逐次通訳するため、スムーズな会話が難しかった。
これに対し、新システムは東芝のサーバーが、ネットを介して音声認識と翻訳を同時処理することで翻訳時間を約45%短縮した。
長い会話でも、同時通訳のように、話し手が発言を終えないうちから意味のまとまりを検出して訳出が始まる。「えーと」などの間投詞は自動的に省きながら、ほぼ同時進行で翻訳できるという。
実証実験は千葉市内の国際交流拠点などで行われる。早ければ来年中にも商品化され、ホテルや病院の窓口、国際会議での講演の同時通訳などの活用が見込まれている。
日本国内の翻訳市場の規模は通訳者を含めて少なくとも2000億円以上とみられる。世界的にも需要の拡大が見込まれており、米グーグルなども同時翻訳技術の改良を進めている。