閉店しない「閉店セール」学生が実態調査

街中でよく見かける「閉店」をうたって安売りする店。こうした中には、閉店することなく営業を続けるところもあるという。ある大学がその実態を調査。驚きの結果が明らかになった。

街で見かける「閉店セール」について、街の人からはこんな声が…。

「“安い”って言われると、『安いんだ。ちょっと見ようかな』みたいな。『買おうかな』なんて」

「もう売ってないのかなって思ったり。『いいかな』って思う値段だったら思わず買っちゃいますね」

一方で、こんな声も…。

「いつ行っても“閉店セール”やってる店ありますよね」

「あるあるあるある」

「ずっとやってるやつあるな」

「“靴・閉店セール”みたいな形で地元にあるんですけど。20年くらいですかね」

「いっこうに閉店しない閉店セール」に疑問の声を上げたのが、立教大学・法学部細川ゼミの学生たち。細川ゼミが20代を中心に100人に行った意識調査の結果によると、「閉店セール」と聞いて普段より買いたくなると答えた人は64人に上った。

細川ゼミは「閉店セール」の実態を調査。去年7月から10月にかけて東京都内の9店舗を定期的に調べた。すると、調査を行った9店舗のうち4店舗は実際 に閉店したが、5店舗は閉店予告日を過ぎても閉店セールが続いたという。中には調査のたびに「本日まで」と表示している店もあったという。

「閉店セール」の名の下に商品を安く見せかけて売る行為について、広告や表示に詳しい郷原信郎弁護士は「景品表示法の有利誤認の問題が生じる可能性があ ります。実際の物より著しく有利である(安い)と思わせて、消費者に物を買わせるという行為を景品表示法で禁止しているということです」と話す。

消費者庁によると、景品表示法に触れる可能性があるのは「長期間、『閉店セール』と表示しているのに、いっこうに閉店しない店」。また、「『閉店セー ル』と表示していなくても、店員が客に『閉店セールをやっている』」と事実に反して声をかけた場合も含まれる。ただ、「閉店」という表示の意味や期間につ いては法的な定義がないのが実情だという。

細川ゼミでは13日、「閉店セール」を行う場合の基準作りなどについて消費者庁に要望書を提出する予定。

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