間違ったやり方だとダニやカビが大量に…ほとんどの人が誤解している「ほんとうの布団ケア」

年末に向けて、そろそろ大掃除にとりかからなければいけない。気持ちよく1年を終えるためにも徹底的に家の中を綺麗にしたいところだが、クリスマスや忘年会などが重なり、なかなか掃除する時間が取れないという人も少なくないだろう。そういった人たちは、「必要な箇所だけ」掃除をしてしまうことが多いが、そこには大きな落とし穴がある。

年末大掃除、どこを掃除する?

株式会社TOSEIが実施した、大掃除をする予定の場所や洗濯意向に関する調査によると、多くの人が(年末に大掃除を行うとき)「水回り」「窓ふき」「換気扇掃除」の順で優先的に掃除を行なっていることがわかった。普段から使う場所や汚れが目立ちやすい場所の優先順位が高い印象だ。一方で、「寝具」は第6位という結果で、毎日利用するにも関わらず多くの人が布団ケアをおろそかにしていることがわかる。

株式会社TOSEIより提供

しかし、気持ちのいい新年を迎えるためには、布団の掃除は真面目に取り組まなければならない。

健康を守るお掃除士(医療環境管理士)の松本忠男氏は布団ケアの重要性を次のように解説する。

「2022年は湿度が高い日が続いたのでダニ・カビが増えやすい場所の掃除を意識しましょう。見落としやすい食器棚や引き出しの隅、忘れられやすいのが寝具です。 毎日寝ている布団はダニの温床となりやすく、ダニはアレルギー症状の一員となります。ご自宅でできるシーツの洗濯や粘着ローラーは布団表面のダニ対策になりますが、布団内部のダニには、洗濯乾燥や高温乾燥を行うことが必要です」

正しい布団ケアの方法として「天日干し」で十分だと考えている人は多い。しかし、それは間違った認識だ。松本氏はこれについても注意を促す。

「生きているダニより、ダニの死骸や糞は細かい粒子になり体内に吸い込まれやすくなります。 布団内部からダニの死骸や糞を取り除くためには洗濯乾燥で洗い流さなければなりません。天日干しや掃除機で吸い込むだけで十分だと考える人もいますが、やり方によってはダニに対して逆効果になることがあります」

株式会社TOSEIより提供

正しい布団ケアの認識について調査したところ、掛け布団・敷き布団共に、「シーツの洗濯(80.3%)」、「天日干し(70%)」を正しい布団ケアと考えている人がほとんどで、布団にいるダニや死骸・糞を洗い流すことができる「洗濯乾燥」が必要であると認識している人は半数以下しかいないとわかった。

寝室の清潔な環境づくり

株式会社TOSEIより提供

天日干しで布団のダニ対策ができていると思っている方は一般的に多い。しかし、根本的な対策としては「干す」のではなく「洗う」ことが不可欠だ。布団を清潔に保つためには、布団の表面と內部の両方のケアが必要だが、天日干しだけでは内部まで掃除することができない。シーツの洗濯のみ、天日干し、掃除機などではなく、高温で内部のダニを殺すために洗濯乾燥を行わなければならない。

今回の調査で多くの方が誤った認識で有効な布団ケアを実施できていないことが明らかになった。しかし、そもそも布団に発生したダニに対処するだけでなく、ダニが発生しにくい寝室環境にすることも同じように大切だ。

ダニは高温多湿を好み、ほこり、フケ、皮脂などの汚れを栄養とする。また、窓や壁際は湿度が高くなりやすいため、ダニにとって最も都合の良い環境は部屋の隅にある布団なのだ。寝具は部屋の中央に置くことがベスト。もしも窓や壁際に置くのであれば、壁から10cmは離すように意識したい。

忙しい年末であっても布団の掃除を忘れず、新年からはより一層綺麗な環境づくりを意識していきたい。

株式会社TOSEIより提供

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