青い海に浮かぶヨットの白い帆が、洋上をわたる風をはらみ大きく膨らんだ。東日本大震災で壊滅的被害を受けた宮城県名取市閖上地区の沖約1キロの海域で5月26、27の両日にあったセーリング大会「北日本オープンヨット選手権」。再整備され、7年ぶりに復活した閖上ヨットハーバーを出航した43艇、86人が熱いレースを繰り広げた。
外洋に面した閖上沖は良い風が吹く上、小島や航路などによる制限がなく、宮城のヨットの拠点だった。「閖上の海に多くのヨットが浮かぶ光景が久しぶりに見られ、うれしかった」。各大学のヨット部員らが中心となって運営されたレースで、審判長を務めた東北大4年伊藤大貴さん(24)が笑顔を見せた。