関空沖にスナメリの楽園 禁漁でエサ豊富、「奇跡的」

 大阪湾の関西空港沖合で、生態系の豊かさの指標になるイルカの一種、スナメリの姿が群れで確認できた。周辺は禁漁区域であることなどから、エサとなる魚が多く身の危険も少ないためと見られる。湾全体の生息数はごく少ないと考えられている中で現れた安息の海域に、専門家は「奇跡的」と驚いている。
 8月末の朝、旅客機が離着陸を繰り返す滑走路の南西の空をヘリで飛んだ。沖合に目をやると、海面に白い背中が現れた。2、3頭だったのが、いつの間にか10頭余りの群れになった。
 スナメリは体長1.5~2メートルで、ペルシャ湾から日本の沿岸に生息する。小魚やエビ、タコなどを食べ、食物連鎖の上位にいるので生態系の豊かさの指標になる。瀬戸内海では2000年までの約20年間で3分の1に減ったとの調査結果があり、大阪湾のある東部は減少が著しいとされる。

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