関自工岩手生産26万台に 小型HV効果、上乗せ

 トヨタ自動車グループの関東自動車工業(神奈川県横須賀市)は1日、岩手工場(岩手県金ケ崎町)の2011年度の通期生産台数について、前年度を約3万3000台上回る26万台になるとの見通しを発表した。年明けの発売が見込まれるトヨタの小型ハイブリッド車(HV)の生産を岩手工場が担うことから、下期(10月~来年3月)の大幅増産を見込んだ。
 岩手工場の上期(4~9月)の生産台数は震災による生産停止の影響もあって10万台にとどまる見通し。これに対して下期は1.6倍の16万台に増加する見込み。10年度の生産実績は22万7100台だった。
 東富士工場(静岡県裾野市)を合わせた関自工全体の生産台数見通しは41万台。10年度実績(36万3800台)からは4万6200台の増加となり、この7割以上を岩手工場が担う計算になる。
 小型HVの生産は7月19日、トヨタが震災からの東北復興支援策の一つとして発表。関自工岩手の二つのラインで全量を造る計画だ。
 関自工庶務・広報室は「震災でダメージを受けた部品供給網の回復が、予想よりも早まったのが大きい。北米輸出の見通しは楽観できないが、HVによる増産効果に期待している」としている。
 関自工は、震災の影響で公表を見送っていた2012年3月期の連結業績予想も発表した。増産効果を反映し、売上高は前期比12.5%増の5670億円、経常利益は4.4倍の100億円で、純利益は20億円の赤字から50億円の黒字への転換を見込んだ。

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