防災の国際規格作成 東北大と日本規格協会、自治体や企業に利用促す

 東北大と日本規格協会は19日、東北大が中心となって策定に取り組んできた防災の概念の国際規格が、国際標準化機構(ISO)から発行されたと発表した。防災や減災に関する2030年までの国際行動指針「仙台防災枠組」を基にしており、防災を推進し、災害リスクを軽減する指針として、自治体やインフラ管理などを担う企業に利用を促す。

 規格の名称は「防災に貢献するスマートコミュニティインフラストラクチャの原則と一般的な要件」。11月に発行された。地震や津波、水害など幅広い災害を想定し、「包括性と多様性の考慮」「最適な資源配分」といった四つの基本原則と、「科学的根拠の提供」「ハード対策とソフト対策の融合」など、多角的側面・段階から災害に対応する六つの重点原則を盛り込んだ。

 仙台防災枠組は、15年に仙台市で開かれた国連防災世界会議で採択された。枠組を踏まえた国際ルールが出来上がり、東北大は今後、防災食やハザードマップなど防災設備、サービスの在り方を具体的に検討し、個別の規格発行を目指す。

 同大災害科学国際研究所の今村文彦教授(災害科学)は「規格は、それぞれの製品やサービスが災害に対応しているかを知る物差しとして活用できる。日本企業の防災技術の輸出、世界の防災レベルの向上にもつなげていきたい」と語った。

 規格は英語でA4判10ページ、1万2474円。日本規格協会のウェブサイトなどから購入できる。

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