防災アプリで迅速避難を 宮城県が運用スタート 居場所やニーズの把握可能に

 大規模災害時に住民の速やかな避難を支援するため、県は独自の防災アプリ「みやぎ防災」の運用を始めた。各市町村は正確な避難情報を発信し、被災者の居場所やニーズを把握できるようになる。

 住民に直接発信する手段の確保や避難所の受け付け作業の迅速化など、東日本大震災で浮き彫りとなった課題の解決が狙い。マイナンバーカードと連動し、電話番号やメールアドレスが分からなくても、行政側がアプリ利用者の住民に必要な情報を提供できる。登録すれば災害時に出される避難指示や避難所の位置、物資の配給される時間などの情報が届く。

 避難所で専用のQRコードを読み込めば受け付けが完了。即座に避難所名簿に掲載されるため、別の場所に避難した家族がアプリで受け付けしていれば、すぐに居場所が分かる。

 各市町村がアプリを活用してアンケートを実施し、避難所で不足している物資や避難所暮らしでの住民の不満なども把握できる。

 来年1月25日までにアプリを登録すると、抽選で8万人に県内の約1000店舗で使える3000円分のポイントが与えられる。

 運用は18日に始まった。県はキャンペーン期間中に20万人の登録を目指す。村井嘉浩知事は「災害時、被災者は非常に混乱している。居場所や要望をデジタル技術で把握できる意義は大きい」と話す。

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