防災国づくりの基本に 仙台で世界閣僚会議開幕

 防災に関する国際会議「世界防災閣僚会議in東北」が3日、仙台市青葉区の仙台国際センターで開幕した。東日本大震災をはじめとする大規模災害の経験と知見を共有し、防災を国づくりの基本原則に据える「防災の主流化」を推進する必要性を確認した。
 約100の国・地域と国際機関から約300人が参加。開会式に出席した野田佳彦首相は「復興へ歩みを続ける被災地の今を肌で感じ、明日へ向かうエネルギーを感じてほしい」と述べた。
 基調講演では、大災害を経験した国の防災担当相が、防災への投資や防災教育に力を入れることが持続可能な発展につながると強調した。
 ニュージーランドのゲリー・ブラウンリー・カンタベリー地方震災復興相は2011年2月の地震で被災したクライストチャーチ市が、震災後も経済成長を続けていることについて「復旧に向け、行政と議会が連携し、リーダーシップを発揮した。市民の防災訓練も奏功した」と話した。被災地を代表し、宮城県女川町女川一中2年の勝又愛梨さん(13)と今野怜美さん(13)が登壇。震災の記憶を継承するため、津波到達地点に石碑を建てたり、震災の記録集を作ったりするアイデアを発表した。
 伊藤敬幹仙台市副市長は、大規模災害時に電力や通信網を確保するため自然エネルギーを活用した防災環境都市づくりを進める考えを示した。
 会議は4日まで続き、一関、石巻、福島の3市では分科会を開催。仙台国際センターでは、市民団体によるワークショップやパネル展も開く。

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