仙台市宮城野区への広域防災拠点整備構想を進める県は、県内7圏域ごとに設ける「圏域防災拠点」を選定した。大規模災害の発生時に広域拠点とともに開設し、県外から駆け付ける緊急消防援助隊、自衛隊などの活動拠点として運用する。
圏域拠点に選んだのは蔵王町総合運動公園、白石高等技術専門校(白石市)、県総合運動公園(利府町)、大崎市古川総合体育館、栗原市築館総合運動公園、石巻市総合運動公園、長沼フートピア公園(登米市)、気仙沼西高(気仙沼市)の8カ所。
県が地方振興事務所や地域事務所を置いている7圏域で1~2カ所ずつを選んだ。9日、8市町に選定を通知した。
このうち仙南地域は蔵王山(蔵王連峰)の噴火時、蔵王町が町総合運動公園に災害対策本部を設置する予定のため2カ所を準備した。災害発生時は、各事務所が運用実務を取り仕切る。
県の計画によると、災害時に設ける防災拠点は(1)県内1カ所の広域拠点(2)7圏域ごとの圏域拠点(3)各市町村が設ける地域拠点-の3段階。
県外からの応援部隊は原則として、まず広域拠点に誘導する。圏域拠点は広域拠点と連携し、応援部隊の活動拠点、支援物資の配送拠点として活用する。
県は、2015年度中に圏域拠点の運営体制などを詰める。16年度には仮設のテントや倉庫、通信施設、照明灯などを配備する見通しだ。
広域防災拠点をめぐっては、一部県議が財政負担を減らす観点から分散型の拠点整備の必要性を指摘。村井嘉浩知事は既存施設では対応しきれなかった東日本大震災を踏まえ、新たに整備する広域拠点と圏域拠点と連携させる方針を示した。