建設工事が再開された青森県の大間原発(大間町)を巡り、津軽海峡を挟んで、新指針で30キロ圏の重点区域に入った北海道函館市は、地域防災計画を作らないことで原発稼働を阻止しようとし、青森県側で戸惑いと反発が広がっている。
函館市と大間原発は、津軽海峡を挟んで最短で23キロ。晴れていれば建設現場が見える。東京電力福島第一原発事故が起きてから、観光や水産物など地元経済への影響を心配する声が強くなった。市は、工事の無期限凍結を主張し、稼働の判断に影響を与える地域防災計画を作らず、原発稼働を阻止する姿勢だ。
これに対し、青森県幹部は「30キロ圏内の自治体は計画を作らないといけない。ただ我々が作れと言える立場ではない」と困惑。東日本大震災以降、原発工事の中断で地元経済が冷え込んだ大間町の石戸秀雄・町議会議長は、「枝野経済産業相が青森まで来て大間原発の工事を容認したのだから、建設は止められない」と反発している。