阿部勘と勝山が協力、ブレンド大吟醸「ヤマカン」誕生

阿部勘酒造(宮城県塩釜市)と仙台伊沢家勝山酒造(仙台市泉区)は12日、両社の酒をブレンドした大吟醸酒「ヤマカン」を発売する。複数の原酒を混ぜるワイン造りの「アッサンブラージュ」という手法に倣い、宮城県内で初めて蔵元の垣根を越えたブレンド酒を生み出した。新型コロナウイルス禍で酒類の販売が落ち込む中、両社は「お酒を楽しむきっかけにしてほしい」と意気込む。

 商品名は両社の名前から1字ずつ取るとともに、「ブレンドでどんな酒になるかはヤマ勘に頼る」というジョークを効かせた。今年春から何種類もの配合を試し、阿部勘酒造の「四季の松島」など3種類、勝山酒造の「伝」など2種類を混ぜるレシピが決まった。

 記念式典が10日、勝山酒造であり、伊沢平蔵社長(61)が「切れのいい阿部勘と濃厚なうま味の勝山を混ぜ、重層的な味わいになった」と説明。阿部昌弘阿部勘酒造社長(37)は「普段の両社の酒とは全く違う。1社だけでは造れなかった面白い酒だ」と語った。

 式典で試飲した観光PR集団「伊達武将隊」の伊達政宗も「爽やかな甘みとふくよかな香り。(阿部勘と勝山の)いいとこ取りの味だ」と太鼓判。仙台在住のイラストレーター斉藤ロジョコさんが手掛けたポップなラベルは「若者に面白がってもらいたい」(伊沢社長)との狙いを込めた。

 12日から県内の酒販店などで販売される。720ミリリットル入り2970円。

ブレンド酒「ヤマカン」を発表する伊沢社長(左)と阿部社長(右)
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