二条城北側の散策路にある「ほら貝 演奏禁止」の掲示
二条城といえば、「大政奉還」を思い出す人が多いだろう。
江戸幕府の最後の将軍・徳川慶喜が大政奉還を行ったのが、京都市中京区にある二条城二の丸御殿。最初の将軍・徳川家康によって創建され、征夷大将軍就任の賀儀が行われたのも、この二条城だった。
そんな歴史的スポットの周辺で、ちょっと風変わりな掲示が発見され、話題になっている。なんと「ほら貝 演奏禁止」。いくら江戸時代の貴重な史跡だからといって、21世紀の現代、よりによって「ほら貝」と名指しして書かれているのは、なぜだろう?
「ほら貝を吹くの禁止だよ」
場所は二条城北側の散策路。「二条城外堀北西部北側石垣の発掘調査」の案内板の前にある柵に、その掲示は針金で取り付けられていた。
2019年4月7日、こんなツイートも……。
お花見に来た投稿者は、桜と一緒に、この掲示の写真を投稿した。やはり相当に驚いたのだろう。「みんな、二条城は ほら貝を吹くの禁止だよ」という言葉を添えている。
公園などでトランペットなどの管楽器の練習をやっているのは、たまに目にすることもある、京都では、ほら貝を練習するのが一般的なのだろうか。
そこで、Jタウンネット編集部は、4月11日、京都に電話して、詳しい話を聞いてみることにした。
近隣住民の方から通報がきっかけ
二条城外掘(David Turnerさん撮影、Wikimedia Commonsより)
電話で答えてくれたのは、二条城を管理する京都市の担当者だ。
「昨年9月、二条城の北側の近隣住民の方から、散策路の辺りでほら貝を吹いている人がいるという通報がありました。相当に音がうるさかったようです。『大声禁止』や『演奏禁止』という注意書きの掲示をしてみたのですが、一向に効き目がありません。そこで今度は『ほら貝』と限定し、10月から改めて掲示したところ、ピタリと止まりました。しばらくそのまま掲示を継続することにしています」
ほら貝を吹いている人とは、どんな人ですか、と聞いてみたが、「残念ながら把握しておりません」と担当者。「二条城は一般の住宅街に近接しています。近隣の方々にご迷惑になる行為はご遠慮いただきたいと思います」
「ほら貝」を吹いていたのは誰だったのか、結局、分からないままだ。ツイッター上のざわめきもなかなか収まりそうにもない。