仙台市教委は、国史跡「陸奥国分寺跡」(若林区)の整備基本計画を策定した。近接する地下鉄東西線薬師堂駅(仮称)の2015年度開業を見据え、多目的広場や見学施設を新設する。計画に基づき市は13年度、整備事業に着手する。
計画によると、史跡約9.15ヘクタールを「導入」「主要寺院」「将来の発掘調査」の3ゾーンに区分けした。うち、「導入」「主要寺院」の2ゾーンの整備方針を示した。
史跡の入り口に当たる導入ゾーンには、寺跡の史料や解説パネルなどを展示する見学施設を16年度内に設置。仙台城跡(青葉区)や瑞鳳殿(同)など東西線沿線の主要遺跡を紹介するブースや、ボランティアガイドの控室を併設する。
国の重要文化財「薬師堂」などの遺物が多数残る主要寺院ゾーンでは、15年度から樹木の刈り込みを行う。空き地の部分は、地域や学校の行事に使える「多目的広場」として整地する。
陸奥国分寺跡は1922年、国史跡に指定された。市は財政難からハード整備を見送ってきたが、市の「地下鉄東西線沿線まちづくり基本方針」に史跡の活用が盛り込まれ、事業化が決まった。
市文化財保護課は「街づくりの核となるような施設を目指し、史跡の恒久的な保存管理につなげたい」としている。