集団感染懸念の店名公表可否を検討 宮城知事定例会見

新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が懸念される施設名を公表するか否かを巡り、村井嘉浩知事は20日の定例記者会見で「宮城県民全体の安全に軸足を置き、物事を判断する」と早急に結論を出したい意向を示した。公表の場合には経営の打撃を想定し、事業者への支援も検討する考えを明らかにした。
 村井知事は、仙台市と調整する公表基準の詳細について言及を避けたが、「県と市で意見が合わない場合は、切り離して別々の発表の仕方もある」と県単独での公表も示唆した。
 県と市は、濃厚接触者を把握し、感染拡大の恐れがないと判断すれば、店名を公表していない。一方、会員制交流サイト(SNS)を中心に臆測が独り歩きし、無関係の店への風評被害も懸念される。
 村井知事は「非常に危惧している。店名公表でダメージを受けることも事実で、サポートをどうすればいいか考えたい」と述べた。
 23日に始まる4連休は「観光キャンペーンを最大限活用し、経済に貢献しながら楽しんでほしい」と話したが、感染が再拡大する東京への不要不急の移動は控えるよう求めた。
 東北電力女川原発2号機(女川町、石巻市)の再稼働を巡り、29日に安全性を検証する有識者検討会が開かれる。出席予定の村井知事は「最後の開催と聞いている。しっかり意見を伺い、今後の参考にしたい」と説明。8月に開く住民説明会は、感染対策を講じて計画通り進めるとした。

タイトルとURLをコピーしました