仙台市は2日、津波被災地で進める防災集団移転促進事業について、移転先ごとの説明会を始めた。移転先から若林区の「荒井駅北地区」を除外して13地区とする方針や、最も早い地区では11月に宅地抽選の申し込みを始め、年内に決定する見通しを示した。
市は荒井駅北地区に68世帯を計画していたが、地元の土地区画整理組合の設立のめどが立たず、2015年度末の防災集団移転の事業期間までに住宅着工が困難になったことを除外理由に挙げた。7月の「申出書」集計時点では、同地区を30世帯が希望していた。
宅地抽選は、造成が進み移転可能な場所が限られる4地区で行う。荒井公共区画整理地区(若林区)で11月、仙台港背後地住宅地区(宮城野区)で2013年1月、田子西地区(同)で13年3月、荒井東地区(若林区)で13年度中ごろに、それぞれ申請受け付けを始める予定。
若林区六郷、七郷、石場地区の希望者を対象にした若林区のサンピア仙台の会場には、約150人が参加。参加者からは「地権者との交渉が進まず、移転が遅れることが心配だ」「一日も早く住宅再建できるよう急いでほしい」といった意見があった。
市復興事業局の担当者らは「適正な価格で誠意を持って交渉したい。移転が可能な限り前倒しできるよう取り組む」などと答えた。
説明会は2日、若林区文化センターでも行われた。7日まで、計5回開かれる。