集団移転跡地活用、事業者が撤退 仙台・荒浜地区 松林復元やカフェ提案も断念

仙台市は25日、東日本大震災に伴う住民の集団移転跡地を利活用する事業で、若林区荒浜地区で松林の復元やカフェ運営を提案した事業者が撤退したと発表した。計画が進まず、集客の見通しも立たなかったという。市が沿岸部で展開する移転跡地の利活用で事業者の撤退は3件目。

当初は21年運営開始予定

 撤退したのはイナサの風(青葉区)。事業対象となる1区画の3000平方メートルを活用して松苗を育成するほか、農園やカフェを開設して被災地ににぎわいを生み出す提案をしていた。

 事業実施の協定を2019年に市と結び、当初は21年の運営開始を予定。事業計画を何度か見直し、昨年12月20日に市に撤退の意向を届け出て今月24日に協定が解除された。市とは土地の賃貸借契約に至っていなかった。

 市市街地整備課の担当者は「被災地のにぎわいづくりを期待していたが、継続できなくなり残念に思う」と話す。市は今後、事業未決定の他の区画と併せて事業者を再募集する。

 今回の撤退で、事業者が決まっているのは集団移転跡地の全38区画(計43万平方メートル)のうち34区画(計32万5000平方メートル)となった。

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